【総務常任委員会 行政視察報告】奈良県広域消防組合消防本部を訪問


先日、高知市議会の総務常任委員会として、奈良県橿原市にある「奈良県広域消防組合消防本部」へ行政視察に伺いました。当日は現地の担当職員の方々から、熱心にご説明をいただき、質問にも丁寧にご対応いただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

1.視察の概要

奈良県広域消防組合は、奈良市・生駒市を除く県内37市町村が参加し、2014年にそれまでの11消防本部を統合して設立された県域の消防組織です。

広域化により、消防庁舎や通信指令システムなどが県の財政支援によって整備され、広い県域での大規模災害対応力を高める取り組みが進められています。

特に印象的だったのは、規模の大きさと、統合による組織運営力の強化です。通信指令システムや消防庁舎といったインフラも県の財政支援を受けて整備されており、災害時の対応力アップを目指していると伺いました。

奈良県広域消防組合

2.広域化のメリットと課題

視察を通じて、広域化によって財源の確保や最新設備の導入が可能になり、日常や大規模災害時の連携力向上が期待されることを実感しました。
一方で、高知県では「県一消防」構想が進められていますが、高知市は中核市として単独の消防本部を既に持っています。新たな司令本部の建設や設備投資には、多額のコストが伴い、財政負担の重さや他分野の行政サービスへの影響が懸念されています。
市町村間で負担や役割をどう分担するかも含め、現実的な議論が必要と改めて感じました。


3.視察で得た学び

今回の奈良県の事例からは、「効率」と「地域力」の両立の重要性です。この二つのバランスをどのように取るかが大きなテーマで課題です。市民の命と暮らしを守る消防体制をどう築くか、また広域化によって得られるメリットだけでなく、現場ごとの課題や行政間の役割分担など、慎重な検討が求められる点を実感しました。⁡高知市としては、市民の命と暮らしを守るため最善の消防体制の在り方を、様々な事例を参考にしながら、今後も模索していきます。


4.消防の歴史と誇り

消防庁舎の入口には、明治時代に実際に使われていた手押しポンプが展示されていました。長い歴史の中で地域を見守り続けてきた消防の伝統と誇りに、改めて胸が熱くなりました。こうした先人たちの思いを大切に、未来の安心・安全に繋げていきたいと思います。

消防の歴史と誇り

🌿【まとめ】

今回の視察を通じて、消防の広域化の現場から多くの気づきを得ることができました。これからも、「効率」と「地域力」を両立させるための議論・調査を重ね、市民の皆様が安心して暮らせる街づくりに力を尽くしてまいります。